研修会案内

　平成27年度第３回血清検査研究班研修会は『甲状腺を理解しよう』のテーマで開催します。甲状腺の解剖、甲状腺ホルモンの作用などの基本的な内容から、甲状腺疾患の診断や治療などを判り易く解説します。甲状腺検査の理解を深める機会ですので是非ご参加下さい。また、日常業務での甲状腺検査について質問等がありましたら、会場受付時に質問内容を書いた紙をお渡し頂ければ、研修会の最後に講師の先生から回答します。

　世界的にみると減少傾向にあるHIV感染症ですが、日本国内では依然として増加傾向にあります。薬剤の進歩により寿命を全う出来得る感染症となりつつありながら、未だ根本的な治療には至っていません。世界中の研究者達がワクチン開発を進めながらも、有効なワクチンの開発に至らないのはなぜなのでしょうか？その理由は、ウイルスそのものの特徴にあります。ウイルス学的な基礎知識から、疫学、スクリーニングから薬剤耐性検査までの検査の流れ、そして近年の最新の治療のトピックスとHIVの全てについて解説します。

　今年度、第1回目の研修会は免疫血清検査のピットフォールとなります。抗原抗体反応には非特異反応が切っても切れない関係です。そこで、今回は実際に非特異反応があった症例もふまえて現場で対処できることをご紹介します。ぜひ、ご参加ください。

　肺がんは本邦における主要ながん死亡原因を占めています。肺がんは小細胞肺がん（10-15％）と非小細胞肺がん（85-90％）に大別され、腫瘍マーカーにはCEA, ProGRP, NSE, SCC, サイトケラチン19分画などがあります。一方、間質性肺炎は肺胞の隙間を形成する間質に炎症が起きる病気の総称です。原因は膠原病や慢性的な吸入物質、薬剤性など様々です。免疫血清検査としてはKL-6, SP-A, SP-Dなどが有ります。研修会ではこれら検査項目の特性について解説します。皆さんのご参加をお待ちしています。

　敗血症の新しいマーカーとして注目されているプレセプシンについて講演を行います。「敗血症とは」という基本的な内容から、プロカルシトニンとの違い、なごについてお話します。皆さんのご参加をお待ちしています。

　BNPは心不全の診断から治療、経過観察に用いられるバイオマーカーで、診療前検査として実施することの臨床的意義の高さから、院内迅速測定検査項目として広く一般臨床現場に普及しています。近年では心疾患スクリーニングとして健診時のオプション検査にも取り入れられ、更には昨今の薬物治療の進歩に伴う副作用としてのうっ血性心不全の早期発見にも役立っています。また心疾患患者のQOL改善としての心大血管リハビリテーション導入を考慮する慢性心不全患者の基準の一つとしてガイドラインにも盛り込まれています。BNP測定の意義について広くご紹介させて頂きます。ぜひご参加ください。

　血中薬物濃度の基礎と重要性が増している移植における免疫抑制剤について講義を行います。血中薬物濃度モニタリング（TDM）について再確認しませんか？腎移植の説明もありますので、とても役に立つ内容です。皆様お誘い合わせの上、ぜひご参加ください。

　日常業務で忘れがちな免疫検査の基礎とピットホールについて研修会を開催いたします。免疫検査を担当されて間もない方だけでなく、ベテラン技師の復習にもなります。

　また、感染対策として重要な針刺し事故対処法についても講演を行いますので多数のご参加をお待ちしております。