@軟性下疳とは・・・
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デュクレイ菌と呼ばれる細菌の感染により発症する。戦後は少なくなった性感染症で、現在は海外で感染してくる例がほとんど。 |
A主な症状
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- 潜伏期が2〜5日
- 外陰部に赤く小さな潰瘍ができ、この潰瘍は痛みを伴い、経過するうちに大きくなって数も増える
- この潰瘍は梅毒の硬性下疳に対してやわらかい潰瘍なので軟性下疳という
- 症状があらわれて2〜3週間後から鼠頚部(太股の付け根)のリンパ節が腫れて大きくなり、痛みも強くなる
- しだいにリンパ節や周囲が化膿して膿瘍ができる
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B感染経路
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性行為感染がほとんど。特に外人女性が中心の歓楽地帯では、激烈な本症を集団で観察したりする。
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C感染状況
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≪日本における軟性下疳患者の推移≫
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年度 1991年 1992年 1993年 1994年 1995年 1996年 1997年 1998年
軟性下疳 |
22 |
12 |
9 |
4 |
5 |
6 |
3 |
4 |
男 |
22 |
9 |
9 |
4 |
5 |
6 |
3 |
4 |
女 |
− |
3 |
− |
− |
− |
− |
− |
− |
- 確かに本症は減少したとはいえ、社会の動き、疫学的理由、生活様式の変化などで、油断ならぬ疾患である
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D検査
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- 伊東反応、Frei反応などと称する皮内反応がしられる。軟性下疳菌ワクチン0.1mlを皮内注射し48時間後に紅色の丘疹反応をみるもので高い信頼性がある。
- 学問的に確認を求める場合の検査は、本菌のための間接蛍光抗体法とELISAが有望となる。
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E治療法 |
治療は抗生物質、とくにサルファ剤やテトラサイクリン系剤の服用が有効で、その軟膏を塗って治療する。また、腫れた鼠頚部に冷湿布をほどこし、化膿している場合は切開して膿を出さなければいけない。内服薬はオーレオマイシン、スルファメチゾールなどの薬剤を服用していく。 |